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市民セミナー報告書より

神戸大学生も迎えて環境整備活動

六甲山は曇り空でしたが、午前中の環境整備ボランティア活動には12名が参加しました。神戸大学からESD(持続可能な開発のための教育)授業の一環で学生とスタッフ5名も参加されました。
ササ刈りと植生観察、実験区画の観察、モリアオガエルの卵塊調査の3つに分かれて活動しました。

六甲山の生活史を語れる人

北野さんは、お祖父さんが大正10年に六甲山上に移り住まれて以来、3代89年にわたる六甲山住民です。お祖父さんからは池の氷の切り出しの話等、郵便局員をされたお父さんには涙ながらの苦労話を聞いて育ったとのことです。最近は、息子さんにカメラをプレゼントされ、日常生活は野鳥の写真撮影に没頭されています。2年足らずの短期間で、51種もの野鳥の生き生きした姿をとらえています。美しいパネルを作って展示していただきました。

六甲山生活に根ざした野鳥観察

講演では、今昔の六甲山事情や戦時中の郵便配達の驚くばかりの苦労を紹介されました。そして、「メインのテーマ」として六甲山で見られた野鳥の解説に移りました。
ご自宅の庭や近辺で撮影された野鳥をはじめ、51種の野鳥のスライドに軽妙なジョークも加えて話されました。「頼んでもじっとしてくれん」撮影の苦心や、熱中しすぎて「鳥と一緒に寝とき」と言われたことなど、思いを込めた取り組みが偲ばれます。
六甲山の野鳥は120種とか、90種といわれますが、北野さんが写真に撮ることができたのは現在のところ51種です。
野鳥のスライドは単体ではなく、オスとメスをともに撮影されており、識別しにくい似た鳥は比較した写真も用意されました。美しいスライドと洒脱な語りに接して、学術的な関心や趣味道楽の領域ではないことを実感しました。
参加者は、北野さんが長年暮らしている六甲山生活の魅力を追求されていることに感銘を受けた様子でした。

六甲山の野鳥の多様性も考えたい

六甲山で見られなくなった野鳥や、ソウシチョウのように最近増えてきて問題を感じさせる野鳥についても紹介していただきました。山麓とは違った自然環境の楽しみ方をうらやましく思うと同時に、野鳥の多様性が少なくなっていることには注意を促されました。