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市民セミナー報告書より

梅雨明けの六甲山は夏真っ盛り

梅雨明けの六甲山は好天に恵まれました。表六甲ドライブウェイ沿いは、フサフジウツギの紫やネムノキの白とピンクの花が鮮やかでした。自然保護センターの温度計は29℃まで急上昇し、夏真っ盛りです。今回のセミナーは、新聞や図書館でのチラシを見て初参加された方など11名を含む36名の参加者で大変にぎわいました。

神戸の近代史を探究される安井さん

今回は、神戸の近代史に詳しいジャパンメモリー(株)代表取締役の安井さんにお話をお聞きしました。祖父の遺業の跡を引き継いで、写真や絵はがきを収集し、本年1月には、日本の近代史の研究結果をまとめた著書『識る力-神戸元町通で読む70章』を出版されました。また、地域活性化の企画プロデュースするお世話もされています。
講演のために、明治時代から現在までの六甲山の移り変わりを年表にまとめて配布されました。

写真で紐解いた六甲山の足跡

六甲山系として、西から諏訪山、再度山、摩耶山、六甲山ととらえています。六甲山系の近代史は5期に分けられるとのことです。西の山麓の諏訪山にはかつて温泉があり、賑わっていました。公園も整備されて、六甲山麓の開発は諏訪山が発端になっています。
その後、急激な都市化などにより、東にある六甲山が注目されるようになりました。阪急、阪神、神鉄の各電鉄会社が競うように開発を進めました。道路やケーブル、ロープウェイの整備も行われ、交通の便が整えられました。六甲山ホテルなどの宿泊施設も建設され、昭和9年から12年が六甲山の戦前の最盛期でした。
これらの5期にわたる六甲山系の開発の節目を中心に、写真や絵葉書などを基にわかりやすく解説していただきました。

六甲山の近現代史が集まった

今回の市民セミナーを含めると、六甲山の近現代史をテーマにした9編の講演報告が集まりました。(第7回、11回、31回、43回、46回、47回、48回、58回参照)名所図会、外国人との関わり、六甲山開発史、六甲・摩耶山の活性化についてなど、それぞれの切り口は異なりますが、六甲山にちなむ歴史と文化の深さと広がりを蓄積できたことが実感できます。
これらの知的財産を整理し統合することによって、六甲山の魅力再発見の近現代史を描くことができそうだと期待をふくらませました。